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zoom RSS フィリップ・K・ディック「ユービック」

<<   作成日時 : 2006/08/05 17:22   >>

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フィリップ・K・ディック「ユービック」(浅倉久志訳/ハヤカワ文庫SF)を読みました。
1969年作品。

舞台は1992年。
『不活性者』たちを用いて、エスパーたちの侵犯行為を無効化する事業をしているランシター。
今回彼に持ちかけられた仕事は一世一代の大ビジネスでした。
月で行われている大規模なの秘密プロジェクトに忍び込んだエスパーらの能力を中和して欲しいというのです。
総勢11人の『不活性者』たちとともに月の施設に向かったランシターは、相手側の爆弾攻撃を食らいます。
ランスターは死亡、彼の後釜のジョー・チップは残されたメンバーと地球に戻りますが、ほどなくして時間が退行し始めていることに気づきます。

ユニークだと思うのはメンバーたちがタイムスリップし続けているのではなく、彼らを取り巻く世界そのものが時間的に戻ってゆくという点。
しかもその境遇にあるのは彼らだけなのです。
そのうちメンバーがひとりまた一人と、謎の死を遂げてゆきます。

変貌し続ける世界で、あるときはタバコのカートン箱の中から、あるときはトイレの落書きと、手を変え品を変えランシターから送られてくる意味不明のメッセージ。
そして退行現象を無効化するという謎のスプレー『ユービック』の存在。

と長々と書いてしまいましたが、物語設定そのものが込み入っていることや『死』という概念がこの小説では通常のそれと違っていたり、上に書いたあらすじではその内容の半分も紹介できません。

何が起こっているのか最初わからないのだが、徐々に理解し始めるジョー。
ところがその解釈もまた間違っていて……という展開が何度か続きます。
ディックの他作品と比較するとかなりスリリングな部類の作品だと思います。

退行現象を起こしている敵とその動機、救いの神のような不思議なアイテム『ユービック』の謎とを絡めた展開はミステリ的です。
そういう興味だけでも充分楽しめる作品。

ちなみにカバー裏のあらすじ紹介や、訳者の解説にはネタバレがあるので要注意です。
ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

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