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zoom RSS コナン・ドイル「北極星号の船長」

<<   作成日時 : 2006/08/06 18:48   >>

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コナン・ドイル「北極星号の船長 <ドイル傑作集2>」(北原尚彦・西崎憲編/創元推理文庫)を読みました。
「ドイル傑作集2」とありまして、コナン・ドイルの怪奇小説家としての一面にスポットライトを当てた短編集です。

ドイルというとわたしなどホームズ物しか読んでいないんで、どういう感じかなと興味がありました。
「バスカヴィル家の犬」などはちょっとオカルトでしたが。

で、この短編集、看板に偽りなしで本当に「怪奇小説」しか採録されていません。
しかもフォローしている範囲が広い。
いわゆるウーマというんですか……未発見の怪獣、降霊術、呪術など。

前半に収められている「大空の恐怖」「青の洞窟の恐怖」などは、プチ秘境ものというか、見たこともない化け物に襲われるという話。
面白いのは後者では、怪物に関しての考察があるところ。
ただ怪物が出たというだけでなくて、主人公がその怪物の生態に科学的な分析をするんです。

晩年息子を失った悲しさからオカルトにのめり込んでいったと伝えられるコナン・ドイルですが、ただ不思議を不思議なまま終わらせず、現象を科学的に解釈しようという態度が仄見えて興味深い。
「深き淵より」は海の幽霊話で、一応合理的な解釈が語られるのだけれど、そちらの解釈の方が怖いという奇妙な読後感。

「樽工場の怪」はミステリ的な興味でも読める作品。
密林の工場で夜番をしている者が跡形もなく消えるという事件が連続する。
最後の数ページで謎が明らかになるのですが、なるほどホームズの生みの親の作品だと納得。

「ヴェールの向こう」「いかにしてそれは起こったか」は現代の日本ではショート・ショートとも呼べるボリューム。前者は後味の悪さが良い。
訳文も良いですが、話の持って行き方がドイルという人は巧いですね。
最後に収録されている「寄生体」は呪術を扱った本格的ホラー作品。傑作です。

個人的に面白かったのは「火遊び」。
降霊術を扱った話なのですが、悪乗りし過ぎというか、衝撃的いや笑劇的な話です。

オカルト興味に溺れることなく科学的な態度も崩さないバランス感覚。
コナン・ドイルはシャーロック・ホームズの生みの親というだけではなく、非常に優れたストーリーテラーとして認識されるべき小説家だと思いました。
北極星号の船長 <ドイル傑作集2> (創元推理文庫)

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