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zoom RSS フィリップ・K・ディック「流れよわが涙、と警官は言った」

<<   作成日時 : 2006/08/19 12:55   >>

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フィリップ・K・ディック「流れよわが涙、と警官は言った」(友枝康子訳/ハヤカワ文庫SF)を読みました。1974年発表作品。ネタバレ注意。

ジェイスン・タヴァナーは三千万の視聴者を持つテレビショーのエンターテイナー。
ある瞬間より、彼は『存在しない男』となってしまいます。
彼のID記録は情報バンクに存在せず、出生記録もなく、誰も彼のことを知らない。
どうしていいかわからない彼は、偽のIDカードを偽造したことにより警察より追われる身になります。
そんな中、ロサンゼルス警察アカデミーのフェリックス・バックマン警察本部長は、タヴァナーに強い関心を持ちます。
タヴァナーの主張は真実なのではないかと。

この作品の主人公はふたり。
タヴァナーとバックマンです。
タヴァナーは『スィックス』という、秘密裡に行われた優生学的な実験対象の生き残りのひとり。
バックマンは優秀で権力を持った威厳ある人物。
どちらかひとりに絞ればバックマンですね。

タヴァナーが最初に登場し、その心理描写も多く、最初の100nくらいまではこの人が主人公なのだろうなあ、きっと後半で孤独感と寂寥感に苛まれて、あてどもなく彷徨するのだろうなあ(笑)と勝手に思って読んでました。
違ってたけど。

第一部はタヴァナーの困惑と逃走を描いており、ああ、またこのタイプの話か(笑)と思うのですが、第二部ではバックマンが登場した辺りから、タヴァナーが普通の人間ではないことが明らかになっていきます。これはわたし的には新機軸。
もっとも、途中からいつかの『人間と人間に近い別のものの決定的な差異』の話になってしまいますが……。

ディック作品を偏って読んできたからかもしれませんが、この人の長編は同じ作品をずっと先鋭化させながら、少しずつ設定を変えつつ書いて来たような気がします。

印象としては「高い城の男」+「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」÷2的作品。
また作中に登場する新ドラッグは「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」に出てきたそれに匹敵する、超反則的効能があります。
こう書くと何だか凄い名作の気がしてきたぞ(笑)。
流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

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