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zoom RSS ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」

<<   作成日時 : 2006/08/20 17:26   >>

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ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」(平井呈一訳/創元推理文庫)を読みました。1897年発表。

ルーマニアの貴族ドラキュラ伯爵がイギリスの屋敷を購入する件で、弁理士ジョナサン・ハーカーはトランシルヴァニアの彼の屋敷を訪れます。
ドラキュラに会見し、どうもおかしな人物だなと思ったハーカーですが、屋敷に軟禁されてしまいます。

一方イギリス。
一日のうちに三人もの若者にプロポーズされたルーシー。
彼女は夢遊病の気があり、友人のミナを心配させていました。
ある晩ミナの監視を抜け出して外へさまよい出たルーシーは、発見された時その美しい首に二つの小さな傷跡を付けられていました。

求婚者の一人セワード医師はどうしてもその傷を治療することができず、恩師であるアムステルダム大学のヴァン・ヘルシング教授を招きます。
教授は多くを語りませんが、何か思い当たる点があるらしい。
後に語られた事実は、到底信じられないものでした。

レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」の影響下書かれたこの作品は、当時の人気作家だったコリンズの「月長石」と同様、日記や手紙、電報などで構成されています。
後半陸路水路と三方向からドラキュラ伯爵を追いつめてゆくくだりは、目まぐるしく語り手が変わり、映画でいうカットバックのような効果があります。当時としてはかなり斬新な手法かも知れません。
とはいえ、のんびり感は否めません。

登場人物は型にはめたようなステレオタイプの人が多いです。
ルーシーとの結婚を希望する三人は典型的イギリス紳士アーサー(本命)、行動的なアメリカ人キンシー、インテリのセワードと、けっこうベタです。
加えて、情熱を内に秘めつつ表面は冷静沈着なヘルシング教授。屋敷を脱出した努力家のハーカー、彼の妻でルーシーの幼馴染みミナ。
彼ら6人が神の御加護の元、邪悪の化身ドラキュラ伯爵を追い詰めるわけです。
ホラーとしての怖さより、この信心深い彼らの強い絆と使命のほうが強調されている感じですね。

書かれた時代が時代ですし、構成も主に日記の羅列ということで物語は遅々として進みません。
読者としてはこの辺を許せるかどうか。
また翻訳はこの道の泰斗である平井呈一によるものですが、『飯屋』とか『横町』のような表現の古さを許せるかどうか。
とりあえず新訳は出ているようですが。

古典を読むときはそれなりの心構えが必要かもしれません。
わたし個人は古い翻訳に慣れているので不満はありませんでした。
吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

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