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zoom RSS ジャック・フィニイ「レベル3」

<<   作成日時 : 2006/09/16 23:00   >>

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ジャック・フィニイ「レベル3」(福島正実訳/早川書房)を読みました。

ニューヨーク、グランド・セントラル駅には地下2階までしかないはず。
しかし彼は構内で迷い、地下3階に出てしまいます。
そこあったのは19世紀末のホーム。きっとここから『あの場所』へ行けるはずだと彼は考えます。
彼は夢想します。
あのホームから妻と、子供の頃祖父から聞かされた、平和と幸福の象徴である1894年の―微風の街―ゲイルズバーグへ向かうことを。
(「レベル3」)

収録されているそのほとんどが過去への憧憬とタイムスリップをモチーフにした短編集。
ジャック・フィニイという小説家はミステリもSFも書いていますが、一般的にはやはりファンタジー系の小説家という印象が強いのではないかと思います。
というか、わたしはこのタイプのものしか読んでませんので、偉そうなことは言えませんが。

ここではないどこか、というのはSFやファンタジーに限らず魅力的な小説の素材だと思います。
しかしフィニイの作品の場合、まず過去ですね。それも19世紀末。
この短編集が発表されたは'50年代のこと。
現在彼が生きていたら、21世紀をどう思うでしょう。

当時の『現代』が嫌だと作者は考えているようですが、それでも現在を生きるわたしには、これらの作品やこの時代には牧歌的で幸福な印象があります。
登場人物たちは皆、ものわかりの良い両親、無邪気な若者、優しい妻といった感じで暖かい感じがする。
わたしなどに言わせると、'50年代のアメリカは20世紀で最も幸福な場所という印象なんですがね。
コメディタッチの作品も少なくない。

ラストに収められた「死人のポケットの中には」は秀逸な一品。
ちょっとした理由で摩天楼のアパートの窓からせり出しに降りたら、部屋に戻れなくなった男の話。
高所恐怖症の人には地獄的な怖さ。
下手なホラーより怖いです。
レベル3 (異色作家短篇集)

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